起立性調節障害の主な症状
本症は、小学高学年から始まり、中学時代がピークで高校になると大分減ります。発症後、回復には早くても3か月、通常は半年から1年、時には2年かかります。原因は思春期特有の自律神経の障害と言われています。迷走神経反射とは異なります。
朝、血圧がもともと低い子もいます。通常は朝、血圧は頭を挙げると上がるはずです。しかし、本症では却って下がります。結果、めまい、ふらつきなど起こり、朝定時に起きられず、結果不登校になることも。
起立性調節障害の治療方法
薬は初め西洋薬を使い、効果が乏しい時は漢方に切り替えると結果がいいことがあります。
昇圧剤を通常服用しますが、薬の効果は今一つです。やはり、自律神経の働きを通常に戻すことです。そのためにどうしたらいいか。
まず、睡眠を通常に戻すことでしょう。昼夜逆転は勿論よくありません。10時就寝、6~7時起床が原則ですが、睡眠時間はその人の年齢や体力によって様々です。自分に合った睡眠時間をしっかりととることが大切です。例えば、夜10時に寝ても起きられない、起きるのは朝の10時過ぎという方には、睡眠時間は12時間必要です。7時に起きたければ、夜の7時に寝るのが本当は良いのです。
症状緩和のための生活習慣改善
夕食は寝る前2~3時間前までにはとりましょう。
運動は夜やらないこと。最近は塾で帰りが10時になることもあるとか。そうすると寝るのは午前様になるでしょう。公立高校であれば、学校の授業を基本にして、夏休み、春・冬休み限定の塾でいいと思います。家庭教師もいいかもしれません。先ずは、基本的生活習慣を作ることでしょう。
起きている時間には、呼吸法、ストレッチ、筋トレ、散歩、ジョッギングなどを取り入れるのが良いと思います。運動には睡眠薬と同じ効果があります。
体を健康にすると結果はいいでしょう。起立性調節障害は必ず治りますが、時間が結構かかるので、本人は勿論、親も焦ります。
いつかは治るのです。それを信じてじっくり行きましょう。
令和5年3月5日
文責 脇元 安