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院長ブログ

子どもの発達障害の心理検査、診断について

目次

発達障害の心理検査について

 ここ30年ほど発達障害が急激に増えています。その理由は多々あります。

発達障害は病気なのでしょうか?診断はどうされているのでしょうか。

専門家は、発達障害は特性と言っていますが、一般には病気とされています。

国際分類でも F84 (広汎性発達障害), F90 (多動性障害 )などと言われています。

まあ、そこらの難しい話は別にして、発達障害の診断です。医者は診断できると言っていますが、採血、画像診断、脳波など従来の医療の診断方法で診断がつくかというと、それは不可能です。何せ、発達障害の原因はまだよくわかっていないのです。あらゆる説がありますが、まだだれもノーベル賞をもらっていません。

現段階で可能な診断方法とは?

1.詳しい病歴をとる

 特に生後から3歳までの家庭、保育所での生活状況、発育の具合が大切です。次に小学校での生活状況が大切です。対人関係をしっかりみることです。宿題、作文、通知表、ビデオも役立ちます。

 自閉型、注意欠損型、多動型、衝動型などいろいろのタイプがあります。かんしゃく型もあります。1歳半、3歳検診で指摘されることもあります。

2.検査 

多くの検査があります。主に発達のチェック、心理テストがあります。おこなってくれるのは、発達専門の施設(百道のえがお館、東部療育センター、中央区のあいあいセンターなど、各地域にあります)あるいは児童専門の医院、クリニックです。

A‐Qテスト、

PARS,

田中・ビネー、

WISC、

CAARS

などです。結構時間がかかります。

3.まとめ

1,2で大体診断はつきます。原則、医師が診断することになっています。典型的な発達障害なら一般の方でも大体診断はつくでしょう。しかし、非典型例、いわゆるグレーゾーンと言われるケースの診断は専門家でも相当難しい。経過をみないと(2,3年程度)はっきり診断できないケースが増えていると思います。
WISCなどの発達知能検査を受けただけですべての診断が決まるわけではありませんが、その子の脳の働きを見るのには最適の検査です。検査結果を治療、学習(勉強)に活かすことができます。
詳細な病歴の聞き取り、種々の検査、診察などを経て、慎重に診断していくため、時間を要します。

治療、取り組みについて

最近、小学校・中学校の教師が生半可な知識で生徒を発達障害と決めつけるケースが散見されます。由々しいことですが、学校の先生には、ぜひ、専門科の意見も聞いていただきたいです。

結論を述べると、診断は可能だが、原則医師の仕事であるということを忘れてはいけないでしょう。レッテル貼りが一番怖いです。慎重にいきましょう。2,3歳ごろちょろちょろしていても10歳すぎて急におとなしくなる子どもを多く見てきました。

実際、発達障害と診断がついたあと、どうするか。対策は、今後、当院のホームページに述べていきたいと思います。

薬を使うかどうか。これは親も本人も悩むところでしょう。専門の医師に相談のうえ、薬を使うかどうか決めましょう。

しかし、最もいい薬は、実は医者が出す薬ではありません。

なんでしょう。睡眠、食事、運動です。他に、年齢は薬であるとも言えるでしょう。先ほども述べましたが、未就学のお子様で、激しい多動、かんしゃくがあったとしても、高学年、中学生になると、別人のように落ち着いてくるお子様も多数いらっしゃいます。
まずは、どんなことでもご相談ください。

                    R5.1.26

                    文責 脇元 安

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