うつ病
うつ病とは

「いつもより気分が優れない…」
「やらなくてはいけないことがあるのに何故かやる気がおきない…」
うつは「こころの風邪」や「こころの不景気状態」ともよばれ,誰でもかかる可能性があり、再発しやすい病気です。うつ状態には、不安感・いらいら感・ゆううつ感・おっくう感を伴います。
他の症状として、「なにをするものおっくうになる」「物事に興味がわかない」「集中力や判断力がなくなった」等があります。身体症状として、、不眠、食欲不振、全身の倦怠感、頭痛、腰痛、胸部圧迫感、めまい感、耳鳴り等、体のあちこちに症状が多く出ます。一見、自律神経失調症に似ています。
原因には、遺伝的・心理的・環境的要因など種々な要素があります。
また、心身相関(心身一如)と言われるように、心と体が密接に関係しています。心の風邪とも表現されるうつ病は、風邪をこじらせると恐いように、早期発見・治療が重要です。
発見が遅くなり、気づかず治療しないままだと、前述の、心理的・身体的症状がひどくなり、最悪の場合、自殺に至る例もあります。
うつ病の主な症状
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気分的症状
- 不安な気持ちが続く
- イライラが続く
- ゆううつ感が続く
- なにをするのも億劫になる
- なに事にも興味がわかず、楽しくない
- 集中力や判断力がなくなった
- 今まで出来ていたことができない
- 生きていても楽しくない、死にたくなる
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身体的症状
- 眠れない
- 食欲がわかない
- 全身がだるい
- 頭痛が続く、手足などが痺れる
- 胸がドキドキする、息苦しい
- めまいがする
- 耳鳴りがする
- 喉がよく乾く、すぐにトイレに行きたくなる
うつ病の原因
うつ病の原因は様々ですが、セロトニン、ノルアドレナリンといった、脳内の神経伝達物質のはたらきが悪くなることが一般的な原因とされています。しかし、なぜそのような神経伝達物質の異変が起こるのかははっきり分かっていません。心配事や悩みを抱えること、不眠や過労といった肉体的なストレスや、転職や結婚、転居などの環境変化といった複数の要因が組み合わさって起こるといわれています。
脳内の神経伝達物質が上手く機能しなくなると、物事を否定的に捉えたり、自分を必要以上に責めたりするようになります。その結果、普段ならば乗り越えられるようなストレスを重圧に感じ、うつが悪化する悪循環に陥ることがあります。
うつ病の
主な治療方法
1番有効的なのは、日常の生活から離れて、心身ともにゆっくりと休養することです。
しかし、忙しい現代人はなかなかそういった休養を取ることが難しいのが現状です。そこで、日常の生活を送りながら、様々な方法で治療していきます。
最近の研究では、副作用の少ない抗うつ薬(SSRI、SNRI)が開発されており、以前に比べると治療効果も格段に進歩しています。
加えて、薬に心理療法(カウンセリング、認知療法など)を併用すると格段に治療効果があがるということも分かってきています。
従って、福岡市の心療内科「メンタルクリニック心の声」では上記の副作用の少ない抗うつ薬を少量使用しながら、カウンセリングを併用していく治療法をお届けいたします。(従来の薬が苦手な方には、一部漢方薬もあります。)
ただし、薬は自己判断で飲まないこと、急に中止しないことが肝要です。自分勝手な判断は、病気を長引かせたり悪化させる原因になります。
また、家族や職場等周囲の方は、むやみに責めたり励ましたりしないことも大切です。逆に、まわりの励ましの言葉に応えられない自分に対して絶望し、それが原因で自殺してしまう例もあります。そうした自殺念慮が強い方は、時には入院が必要な場合もあります。
心理的に不調の方は勿論、不眠・頭痛等の身体症状がある方で各科の専門医が診て特に異常がない場合、主治医に相談の上、うつ病でないかと疑って、心療内科・神経科を訪ねて早めに相談することも重要です。
更年期障害とうつ病
女性に限らず、男性にも更年期障害という身体的なホルモンバランスの以上から、うつのお悩みを持つ場合がございます。
当クリニックでは、まず身体的な異常がないかを調べます。
そして、身体的に問題がなければ心の治療に入ることという流れになります。
更年期障害には、漢方薬が非常に効果を発揮する場合もあり、当クリニックでは漢方に関して専門的な知識を持っている院長が、必要に応じてそれぞれにあった漢方薬を処方しております。
老人性うつ

心療内科の分野で取り扱われている症状の中で「高齢者」に特にみられるお悩みは、「うつ」と「認知症」です。
うつと認知症は症状に共通点もあり、自分や周りの人が認知症を疑っても、実は違ったという例が多数あります。
「老人性うつ」と「認知症」の違いは大きく下記の5点が挙げられます。
老人性うつと
認知症の違い
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症状の進行速度
老人性うつの場合、環境変化やなにかの出来事に伴い、1か月間など比較的短い期間に症状が出ます。そのため、ご家族や介護者の方が「いつもと様子が違うな」と異変に気付きやすいという特徴があります。
一方認知症は、記憶障害などが徐々に進行することが多く、発症の時期がはっきりとしない面があります。 -
自責の念の有無
老人性うつの患者は、初期段階では認知機能や理解力に影響はありません。
そのため「自分の症状や病気のせいで、家族や周囲の人に迷惑をかけているのはないか」と自責の念が強く「死にたい」と口にしたりします。 -
本人の自覚の有無
老人性うつの人は、自分の認知機能の低下を、その前後で自覚できるため、不安を感じ、たびたび自分のとる行動がおかしくないか周囲の人に質問することがあります。
一方認知症の場合、自身の問題行動や症状に対して無関心になることが多くなります。 -
記憶障害の有無
老人性うつの方は、環境変化や何かきっかけになる出来事を境に、突然数日前のことを思い出せなくなり、それによってご本人自身の心配や不安が高まっていく傾向があります。
一方認知症は、最初は軽度の記憶障害から始まり徐々に進行していきます。 認知症の方は、日常で晩御飯を食べたこと自体を忘れてしまうなど、物事自体を忘れてしまいます。 -
受け答え方の違い
老人性うつの方の場合、ある質問に対して考え込んでしまい、回答がはっきりとできない場合が多いという特徴があります。
一方認知症の人は、ある質問に対して、見当違いだったり、的を得ない回答をします。そのことを指摘すると、取りつくろう様子が見られることも多いです。