メンタルクリニック心の声

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院長ブログ

発達障害の薬物療法について

 発達障害の薬物は多岐にわたる。注意しないといけないのは、肺炎とは異なり、薬さえ服用すれば解決、ということにはならないことを知っておくことが大切である。そもそも、発達障害を病気と思わない医師、他の職種の方も結構いるということである。筆者自身も病気とは思っていない。特性と考えている。

発達障害には薬以上に、療育、治療教育、運動、食事療法、トレーニングなどがまず大切と筆者は思う。しかし、それをやれる専門家は日本ではまだ少ない。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどではかなり薬以外の治療は行われている。大阪地区では療育その他の方法が手広く行われている。岡田尊史先生という偉い医師がおられ、教育指導をされていて、盛んにおこなわれている。福岡地区でも大阪ほどではないが、療育を頑張っている施設は結構ある。そこで、療育の方法を学ぶことは可能である。本も色々出ている。

さて、薬物である。

目次

〇二次的な症状に対して(自閉症、注意欠損多動障害)

 不安、いらいら、攻撃行動、かんしゃくに対して

 :オランザピン(ジブレキサ)。アリピプラゾール(エビリファイ) 効能:精神安定作用 落ちつかせる

 副作用:けっこうある。眠気、不眠、めまい、口の渇き、動悸、体重増加、じっとしておれないなど(アカシジア)

 他に リスパダール、ロゼレム、リーゼ、アルプラゾラム、テグレトールなど多くある。

 なお、自閉症そのものへ有効な薬はまだない現状である。

〇ADHD(注意欠損多動障害)

ADHDの薬物は現在4種ある。以前はコンサータ(依存性の問題が言われている)ぐらいしかなかったので、現在はかなりラインアップされたと言える。効果はどうだろうか? 4種について述べる。

1 アトモキセチン (ストラテラ) 

主に脳内のノルアドレナリンの働きを強める作用。

脳の覚醒が比較的少なく、ADHDの治療が可能

服用開始2週間ほどで少しずつ効き始め、6-8週目で効果が安定。副作用は嘔気、寝つき不良

2 グアンファシン(インチュニブ)

主に脳内のノルアドレナリンの受容体であるα2A受容体を刺激し、シグナル伝達を改善する作用。効果は早く、1-2週で効果見られる。

不注意が減る、気が利くようになるなど。

3 メチルフェニデート除放錠(コンサータ)

 主に脳内のドーパミンとノルアドレアンリンの働きを高める作用あり。1日1回の服用で、約12時間効果が持続。

即効性と持続性を併せ持つのが特徴。

副作用:寝つきが悪くなることあり。依存性が問題となる。

服薬は午前中に。

4 リスデキサンフェタミンメシル(ビバンセ)

 脳内のドーパミンとノルアドレアンリンの働きを高める作用があり、様々な症状を改善する。不注意が減る。副作用:食欲不振、吐き気、不眠、頭痛など。服薬は午前中に。なお、ビバンセは一部の医師にしか処方できない。私は出せません。

注意: 4種とも必ず医師の指導の下に服用すること。1,2は末梢性、3,4は中枢性の薬です。

なお、薬の量は後日に。

           令和5年2月5日

           文責 脇元 安

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